年金額を調整する『マクロ経済スライド』で年金額はどうなる?
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おはこんばんにちは!どうも、FPリクノです。
≪前回記事≫
皆さんは年金額の変動がどのように行われているかご存知でしょうか?
「年金は物価に連動する仕組みがある」ということを聞いたことがある方もいると思います。
この仕組みは「物価が上がれば年金額も上昇」「物価が下がれば年金額も減少」するという「物価スライド」というものになります。
高度経済成長期にはどんどん、物価も上昇していくことで、年金額も上がっていた為、当時の高齢者はそこまで困ることもなかったのです。
しかし、ご存知の通り日本は少子高齢化が進むことで年金財源が苦しくなり、国としてはなんとか支給する年金額を減らしたいという方針から、2004年に新たに「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されました。
≪マクロ経済スライドってどのような仕組み?≫
誤解を恐れずに簡単に説明すると「物価が上がったとしても、年金額はそれに見合う程は上げません」という仕組みです。
マクロ経済スライドには調整率があり、これは現役世代の人口の増減と平均余命の伸びを勘案して決められています。現役世代が減れば、年金制度の支えてが減りますし、平均余命が伸びれば年金給付は増加します。
そうなると給付水準の抑制が必要になるという考えかたとなります。
≪2019年の年金額改定はどうなった?≫
2019年の年金額改定の基礎となる数値は、【物価変動率1.0%】のプラス、【賃金変動率0.6%】のプラスでした。
この場合、物価上昇率が賃金上昇率を上回っている為、【賃金変動率】にスライドして改定されることになります。
よって、本来であれば、2019年の年金額は0.6%上昇することになります。
しかし、実際の増加率には【マクロ経済スライド】による調整率が加味されます。この調整率はマイナス0.2%です。
さらに、2018年度の年金額改定の際に適用されずに繰り越された、2018年度分の調整率マイナス0.3%も加えられ、結果として年金額は0.1%のプラスにとどまりました。
このように、現在の日本の状況を考えていくと、年金の伸びが物価や賃金の伸びに追いつかず、実質的に年金額が目減りするという状況であるわけです。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!
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